「仕事」がまだ暮らしと結びついていた時代、前掛けの型紙(かたがみ)約2000枚発見
愛知県豊橋の前掛け工場から見つかった、40~50年の前掛けの「型紙」2000枚。
その1枚1枚に、日本の商業と、前掛け職人の手仕事の歴史そのものが詰まっています。
例えば「蒟蒻屋(こんにゃくや)」さんの前掛けや、バケツ屋さんの前掛けなどもあるのですが、
当時はまだ、仕事、と人々の暮らし、が分離していなかった時代。
今の時代、我々が忘れてしまった日本の暮らし、食、商業、家族、など大切なものを教えてくれているようです。
豊橋帆前掛地織振興会の皆さまと共に、
2012年11月のニューヨークでの展示会を皮切りに、いろいろなところで皆さんへ知っていただく、
感じていただく機会を作って行ければと思っています。
世界の人たちにもきっと共感してもらえると思いますので、信じて進みます!
■完全復刻前掛け第一弾「競馬食品前掛け(1960年代の型紙)」■
この度『完全復刻前掛け』第一弾として、愛知県豊橋にあった「競馬食品工業」前掛けを製作しました。
帆前掛振興会会長・杉江氏から当時、競馬食品を経営されていた方へ連絡させていただいたところ
「ずいぶん前に会社はなくなっているが、今も型紙が残っていたのか...」
と喜んでいただき、今回実現の運びとなりました。
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(競馬食品工業さまとは?)
豊橋の皆さんにお聞きしたことをまとめますと
社名の由来は「豊橋競馬場」から来ているようで、競馬場は1925年(大正14年)~1931年(昭和6年)という短い期間にありました。前掛けに書かれている通り「シロップ」や「サイダー」を当時は作られていたようで、30年くらい前に会社は辞められたそうです。「豊橋の人たちは良く競馬印サイダー飲んでいたよ」とのこと。
戦前戦後の豊橋の子供たちに愛されていたのでしょう。また、前掛けを作られていたくらいですから(前掛けを作る、ということは大量に作り、配布する「販売店」が多かったということ)、繁盛していたことが推測できます。
詳しくは、実際に経営されていた方に直接お会いし、前掛けも渡し、お話聞いてきます。
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完成しました!!!こちらが約40年ぶりに染め上った前掛けです!
型紙も古いものですが、生地自体も、40年以上前に織られた『ガラ紡』。
「ガラ紡とは?クリックしてください」
■原点前掛けデータ■
1 作品名:完全復刻前掛け第一弾「競馬食品前掛け(1960年代)
2 製造年月:2012年6月
3 素材:40年以上前に織られた'ガラ紡'前掛けを使用 綿100%
4 サイズ:横45センチ×縦67センチ
*昔の生地は今よりも幅が狭い
5 原点の歴史:型紙は40年以上前の物をリメイクし使用
6 一般販売:あり