100年前の前掛けから、現在海外で使われている前掛けまで、合計120種類を展示。
東京青山、伊藤忠商事「伊藤忠青山アートスクエア」にて「ニッポンの前掛け展」が開催されました。
1858年、初代伊藤忠兵衛氏により近江で創業した「伊藤忠商事」のコーポレートメッセージは
「ひとりの商人、無数の使命」。
ニッポンの商人の象徴とも言える前掛けはぴったり、とのことで実現し「伊藤忠商事と前掛け」についての歴史を紐解いたパネルも掲載されました。
~パネルの一部を掲載~
1915(大正4)年の「伊藤忠合名会社店法附則内規集」のなかに定められている「衣類標準規定」には、伊藤忠においては「小役」以上の者は全員が「前掛」を着用することという記述が見られます。この「前掛け」は「青縞」、藍染した糸で織り上げた無地木綿地のものに限られていました。非常に実用的な意味合いで使用されていたことが判ります。
創業以来「前掛け」は用いられたと思われますが、いつまで使用されていたのかは不明で、おそらく1918(大正7)年ころまでは着用されていたと考えられます。(伊藤忠商事様調べ)
このように、実際に前掛けは明治時代にも働く人達の体、腰、着物、を守り、正装の仕事着として使われていたことが分かりますね。
実際の展示前掛けについては、日本一の前掛けコレクター・オオタマサオ氏所蔵の、全国ソースメーカーの前掛けや、日本酒蔵の前掛け、エニシング製作の海外のレストラン前掛けなどコーナー別に計120枚を展示。
期間中に開催されたトークショーは50名の定員がいっぱいになり、豊橋の前掛け職人、杉江秀介氏による型紙彫の実演なども行われ、日本伝統文化の前掛けの魅力を多くの方々に伝えることが出来ました。
「ニッポンの前掛け展」
●主催 ニッポンの前掛け展実行委員会(有限会社エニシング、豊橋帆前掛振興会)
●共催 伊藤忠商事株式会社
●後援 経済産業省関東経済産業局、愛知県豊橋市、豊橋商工会議所
●協力 オオタマサオ
●会期 2015年9月10日(木)~9月27日(日)
●会場 伊藤忠青山アートスクエア
(東京都港区北青山2丁目3-1シーアイプラザB1F)
(記事:西村)