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伝統の'1号前掛け'をオーダーで1枚からオリジナル製作

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イギリス産業革命と日本のシャトル織機のつながり

2015年から、毎年イギリスでの展示会に出展しているのですが、渡英したとき、この織機についてまさに「縁(えにし)」を感じる話を聞きました。

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(写真は、イギリス国立 科学産業博物館 サイエンスミュージアム)

英国では18世紀にリチャード・アークライトによって紡績機、綿を細かく梳き、紡績しやすくするカード機などが発明されます。
この発明により糸が大量生産されるようになり、イギリスの産業革命を大きく牽引しました。

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(写真は大英科学博物館にて撮影)

その後、100年以上の時を経て英国から日本へ技術が伝わり、豊田佐吉氏をはじめとする日本の発明家たちの手で、織機の機械化・自動化が進みます。

佐吉氏はもともと豊橋近くの遠州(静岡県湖西市)の生まれ。豊橋のある三河地方は織物の産地で、織機の発明により生産に弾みがついたこともあり、日本の繊維産業の発展の礎を築いたのです。

豊田佐吉氏によって発明された織機の中に「N式広幅動力織機(N式織機)」があります。
これは、海外へ輸出する綿布の需要に応えるために開発された広幅の織機です。日本の着物の反物の幅は36センチの細幅ですが、広幅は約50センチ。このサイズは前掛けの生地を織るのに適していたことから、前掛けの房をつけるための改造が行われ、前掛けの製造にN式織機が使われるようになります。
ちなみに、前掛けの房は、神社のしめ飾りに由来するとも言われ、神聖な意味合いがあり、相撲の化粧まわしにも使われています。

このN式織機を母体に、全自動化し、世界一と評されたG型自動織機が後に誕生します。

エニシングの豊橋工場では、10台の織機が今も現役で活躍していますが、そのうちの2台はN式織機です(昭和24年製造)。

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織機の歴史をたどると、産業革命時の英国にたどり着くことを、イギリス・ロンドンにある国立の科学産業博物館(サイエンス・ミュージアム)を訪れたとき、学芸員のBen氏から聞いて知りました。

ちなみに、G型自動織機はイギリスの企業に特許権を譲渡したご縁で、ここに展示されているとのことです。
また、2018年の今年も再び訪れてみたいと思います。

※豊田佐吉氏と織機のかかわりはこちらを参照
「トヨタ」と「豊橋前掛け工場」の密接な関係
http://www.anything.ne.jp/maekake/arch/2014/12/post_496.html

(記事作成:西村)