さぁ、話は少し変わって
前掛けの素材から歴史を探ってみましょう。
前掛けの素材は綿。
綿は織り方によって色々な布に変化していきますが、
ここで前掛けに使用しているのが“帆布”です。
英語でCANVAS(キャンバス)。
今では、前掛けよりも鞄などのほうが多くみられるようになりました。
ちなみに、LIEVI’S(リーバイス)の創業者リーバイストラウスがカルフォルニアの炭鉱で
初めて作ったジーパンも帆布(=CANVAS)です。
CANVASとは正しくは、
「ごく太い綿糸か亜麻糸やビニロンなどの合繊糸を使って、密に平織りに織った織物。
厚地で、強く、丈夫である。帆布、テント、日覆い、布靴、かばん、洋画布、
手芸の基布などに使う。ホースに使うものは袋状に織る。」服飾辞典より
丈夫なこの生地は、
船の帆になったり、テントになったり、パンツになったりと
その丈夫さゆえに様々の生活のシーンで利用されていました。
日本で前掛けになったのは、
不要になった帆船の帆で前掛けを作ったからと言われています。
残念ながら明確な発祥時期は定かではないのです。
もしかしたら、漁師の奥さんが台所でしたのが
帆前掛けの第一号かもしれませんね。
大正時代には現在の前掛けに近いモノが出来たとも言われています。
当時は「まえたれ(前垂れ)」と呼ばれていたようです。